就業規則・社内規程の作成、退職金制度の見直し、給与計算 倉地社会保険労務士事務所(福岡市南区)


福岡市南区の社会保険労務士事務所です。福岡県内全域を営業エリアとし、特に、
中小企業向けの就業規則・社内規程の作成・改定及び退職金制度の見直しを中心に活動しております。また、顧問契約を基本として、労務管理、給与計算、是正勧告、労災処理、助成金、年金相談、安全衛生等、企業経営をとりまく「人」に関する問題に対応いたします。


くらち社会保険労務士事務所
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常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成して、所轄労働基準監督署長に届け出なければありません。既存の就業規則を変更した場合も同じです。
就業規則の作成・届け出単位は
事業場(場所)単位で判断します。たとえ同一企業内であっても、本社や支店、営業所、工場のように事業場を異にする場合は、それぞれの事業場において常時10人以上の労働者を使用するかぎり、事業場ごとに就業規則を作成し、届け出しなければなりません。(一定の要件のもと、本社で一括して届け出ることもできます)
なお、就業規則の作成・届け出義務違反に対しては、30万円以下の罰金が科せられます。




常時使用する労働者数には、正社員以外の契約社員やパートタイマーなども含まれます。期間雇用者の場合、4ヶ月以上の雇用が見込まれる労働者が「常時使用する労働者」に該当します。
なお、会社の取締役(使用人兼務役員を除く)、監査役、雇用保険に加入できない家族従業員、派遣労働者、業務請負人などは含まれません。




就業規則の作成・変更にあたっては、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合には、労働者の過半数を代表する者の意見を聞かなければなりません。
また、労働基準監督署への届け出の際は、この
意見を記した書面を添付しなければなりません。
この意見聴取手続きの主旨は、就業規則を労働者側に全て公開したということにありますので、労働者側が反対の意見を述べたとしても、規定そのものが法律違反でない限り、就業規則は受理され、その効力事態に影響はありません。

しかし、労働条件は、労使対等の立場で決定するのが原則ですので、あくまでも一方的に決めようとするのではなく、労働者代表の意見については、できるだけ尊重することが望ましいといえます。




◆労働基準法で定める管理監督者でないこと。
◆何のための代表選出であるのかを明確にした上で、全労働者による投票または挙手などの方法により、公正に選出すること。




就業規則は、原則として事業場ごとに所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。ただし、次に挙げる要件を全て満たしている場合は、本社事業場で各事業場の就業規則を一括して届け出ることができます。

◆本社を管轄する労働基準監督署に、本社を含む事業場の数に対応した必要部数の就業規則を提出すること。
◆各事業場の名称、所在地、所轄労働基準監督署名を附記すること。
◆本社で作成された就業規則と各事業場の就業規則は同一の内容であること、かつその旨を明記すること。
◆意見聴取の手続きは、事業場ごとに行い、届け出に際しては意見書の正本を添付すること。




通常の就業規則とは別に、各事項について、別規定により定めることもできます。例えば、賃金規程や退職金規程等を別規程にするケースが一般的です。
なお、この場合においても、その別規程について、通常の就業規則と同様に、作成・変更の際の手続き(届け出を含む)が必要となります。




就業規則を作成し、せっかく労働基準監督署へ届け出しても、その後、会社の金庫や社長の机の引き出しに大事にしまっておいては意味がありません。
使用者は、就業規則を以下の方法により労働者に周知する義務があります。

 ・常時、各作業場の見やすい場所に掲示または備え付ける。
 ・書面を労働者に交付する。
 ・磁気ディスクなどに記録し、なおかつ各作業場にこの記録を常時確認できる機器を設置する。

つまり、労働者がいつでも自由に、就業規則の内容を確認でいるようにすることが必要です。




就業規則の記載事項には、労働基準法上必ず定めなければならない必要的記載事項と、使用者が自由に定めることができる任意的記載事項があります。さらに、必要的記載事項は、必ず就業規則に記載しなければならない絶対的必要記載事項と、なんらかの定めをしたときは就業規則に必ず定めなければならない、相対的必要記載事項に分かれます。

絶対的必要記載事項(必ず記載すべき事項)
・始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇ならびに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合の就業時転換に関する事項
・賃金の決定、計算および支払いの方法、賃金の締切りおよび支払いの時期ならびに昇給に関する事項
・退職に関する事項(解雇の事由を含む)


相対的必要記載事項(定めた場合には必ず記載しなければならない事項)
・退職手当の適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算および支払いの方法ならびに退職手当の支払いの時期に関する事項
・臨時の賃金等、その他の手当、賞与および最低賃金額に関する事項
・労働者の食費、作業用品その他の負担に関する事項
・安全および衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償および業務外の傷病扶助に関する事項
・表彰および制裁に関する事項(その種類および程度)
・事業場の労働者のすべてに適用される事項


任意的必要記載事項(記載するかどうかは自由な事項)
使用者は、法令、公序良俗または労働協約に違反しない限り、いかなる事項についても自由に就業規則に定めることができます。




就業規則において、減給の制裁を定める場合には、次のとおり、減給できる額の限度額が定められています。

減給の限度額
・1回の額が平均賃金の1日分の2分の1
・総額が1賃金支払期における賃金総額の10分の1

例えば、遅刻を10回すると平均賃金の5日分(0.5日分×10回)までは減給することができるが、1賃金支払期で控除しようとすると月給の10分の1(3日分=30日×10分の1)を超えることになるので、残額は結局翌月分から控除しなければならないことになります。




一般的に使用者には企業秩序を維持するために懲戒権があり、労働者が服務規律や業務命令に違反した場合などには、就業規則の規定に基づいて懲戒処分をすることができます。しかし、使用者は、就業規則に記載すればどのような懲戒処分も自由にできるというものではなく、処分に合理性が認められるものでなくてはなりません。

懲戒処分が有効として認められるには、一般に以下の要件を満たしていることが必要とされています。

1.刑法定主義の原則
基本的には、懲戒の対象となる行為、懲戒の種類・内容は、あらかじめ就業規則等に定めておくことが必要です。すなはち、新たに処分の対象となる行為を定めた就業規則の効力はその明定後の対象行為にのみ効力を有し、それ以前の行為はたとえ新たな就業規則において処分の対象であったとしても、その効力は及びません。

2.平等扱いの原則
違反行為の内容や程度が同じ場合には、それに対する懲戒の種類や程度も同じでなければなりません。特別な理由もなく、人により処分の重さを変えてはなりません。
『あの人は遅刻しても注意されるだけ。この人は遅刻すれば減給する』等は認められません。

3.相当性の原則
違反内容と処分内容が均衡していることが必要です。懲戒処分にも戒告といった軽いものから解雇といった重いものまでありますので、違反行為の程度がそれぞれの処分をするに値するものでなくてはなりません。些細なミスなどで懲戒処分をすることは、権利の濫用として無効になると考えられます。
『遅刻は絶対に許しません。遅刻を1回でもすれば解雇する』という常識を外れた処分はできません。

4.適正手続き
就業規則などに定められた手続きを適正にとっていることが必要です。例えば、就業規則により「処分にあたっては労働組合や労使代表から構成される懲戒委員会の討議を経る」旨が規定されている場合には、この手続きを遵守しなければなりません。
また、そのような規定がない場合でも、本人に弁明の機会を与えるなどは最小限必要と考えられます。




就業規則は一度作成したら、それで終わりではなく、法令の改正や、運用上問題が生じたときなどには、見直しや変更が必要になります。就業規則の変更によって、社員の既得権を奪い、不利益な労働条件を課すことを就業規則の不利益変更といいます。

原則として、使用者側の一方的な不利益変更は認められません。

しかし、就業規則の目的は、社員を一定の秩序のもと有機的。組織的に就労させること、そのために統一的かつ画一的な定めをすることを建前としています。よって、就業規則の変更の内容が合理的なものである限り、個々の社員において、これを同意しないことによりその適用を拒むことは許されません。

すなはち、不利益変更について社員に受忍させられるだけの高度な必要性に基づいた合理性があると判断された場合、不利益変更の効力が認められることになります。





就業規則の不利益変更に関する過去の判例では、次のような合理性の判断基準を挙げており、これらを総合的に考慮して判断すべきとされています。(第四銀行事件・最判平9.2.28)

@従業員が被る不利益の程度
A会社側の変更の必要性の内容・程度
B変更後の就業規則の内容自体の相当性
C代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
D労働組合等との交渉の経緯
E他の労働組合または他の従業員の対応
F同種事項に関するわが国社会における一般的な状況等




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