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健康保険と厚生年金保険を総称して「社会保険」と呼びます。社会保険は、労働者やその家族の生活を保障するための公的保険です。保険給付はそれぞれの保険から別々に行われますが、保険料に関してはどちらも被保険者の賃金の額により決められる標準報酬月額に基づいて算出されます。
社会保険は、民間の生命保険とは異なり、事業主や従業員が自由に契約したり解約するようなものではなく、事業所が一定の要件を満たした場合に加入が義務付けられています。
よって、そこで働く人たちは勤務時間や雇用期間等の一定の要件を満たせば、本人の意思に関係なく当然に被保険者となります。
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健康保険は、会社などで働く人が業務外の事由で病気やケガをしたとき、またそれが原因で働くことができず給料がもらえないとき、あるいは不幸にも亡くなったとき、または出産したとき等に必要な保険給付を行う制度です。
また、健康保険は被保険者である経営者や従業員だけではなく、それらの人が扶養する家族(被扶養者)についても、必要な保険給付を行います。
この健康保険には、政府が保険者となる「政府管掌健康保険」と、政府から認定された健康保険組合が保険者となる「組合管掌健康保険」があります。
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厚生年金保険は、会社などで働く人たちが高齢となり働けなくなったとき、病気やケガが原因で障害の状態になったとき、不幸にも亡くなったりしたときに、年金や一時金を支給して、働く人たちやその家族や遺族の生活の安定を図る制度です。
厚生年金保険は、国民年金(20歳以上60歳未満のすべての国民が強制加入)を1階とする2階建て部分で運営されている保険です。したがって、厚生年金保険に加入していた人が年金を受け取るときには、国民年金から支給される基礎年金に上乗せして、加入期間および報酬に応じた厚生年金が支給されます。
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適用事業所には、個人経営か法人か、従業員を何人雇用しているか等の条件により、強制適用事業所と任意適用事業所の2つのパターンがあります。

強制適用事業所は、次の@かAに該当する事業所です。これらに該当した場合は、事業主や従業員の意思に関係なく健康保険・厚生年金保険への加入が義務付けられています。
@次の事業を行い、常時5人以上の従業員を使用する事業所
a 製造業 b 土木建築業 c 鉱業 d 電気ガス事業 e 運送業 f 清掃業
g 物品販売業 h 金融保険業 i 保管賃貸業 j 媒介周旋業 k 集金案内広告業
l 教育研究調査業 m 医療保険業 n 通信報道業 など
A国または法人の事業所
常時1人でも従業員を雇用する国または法人の事業所

任意適用事業所とは、強制適用事業所とならない事業所で、社会保険事務局長等の認可を受けて健康保険、厚生年金保険の適用となった事業所のことです。
事業所で働く半数以上の人が適用事業所となることに同意し、事業主が申請して社会保険事務所長等の認可を受けると適用事業所となります。任意適用事業所となると、働いている人は原則として全員が被保険者となります。また、被保険者の4分の3以上の人が適用事業所に脱退に同意した場合には、事業主が申請して社会保険事務所長等の認可を受け、適用事業所を脱退することができます。
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次の業種では、従業員の人数に関わらず適用事業所となりません。ただし、手続きを経て任意適用事業所となることは可能です。
@農業、林業、水産業、畜産業
A旅館、料理店、飲食店、映画館、理容業等の接客娯楽業
B弁護士、税理士、社会保険労務士等の法務業
C神社、寺院、協会等の宗教業
※上記の業種であっても法人の場合は、強制適用事業所となりますのでご注意下さい。
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原則として、適用事業所で常用的雇用関係にある人が被保険者となります。常用的使用関係の判断基準は、所定労働時間および労働日数が原則として正社員の4分の3以上あることとされています。個人事業主は被保険者とはなりませんが、代表取締役などの法人の役員は、労務の対象として法人から報酬を受けるため被保険者となります。
なお、70歳以上の人は厚生年金保険の被保険者になりませんので、適用事業所に使用されていても、70歳に到達すれば厚生年金の被保険者資格を失います。(ただし一定の要件を満たせば任意加入することが可能です)
これに対し、健康保険には年齢制限がないので、適用事業所に使用されている限り、何歳になっても加入し続けることになります。(なお、平成20年4月から後期高齢者医療制度がスタートし、@日本国内に住所を有する75歳以上の者、A日本国内に住所を有する65歳以上75歳未満の者であって、一定の障害の状態にある旨の広域連合の認定を受けた者は、いずれも健康保険の被保険者とはなりません)
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パートタイマーやアルバイトでも次の2つの条件にあてはまれば、当然に社会保険の被保険者となります。
@1日または1週間の所定労働時間が通常の従業員の4分の3以上であること
A1ヶ月の所定労働日数が通常の従業員の4分の3以上であること
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適用事業所に雇入れられたとしても、被保険者にならない人もいます。この人達を適用除外と呼びます。
具体的には、次のいずれかに該当するときには、適用除外となり被保険者にはなりません。
@船員保険の被保険者
A臨時に雇入れられる者であって、次に該当するもの
・日々、雇入れられる者
⇒ただし1ヶ月を超えて雇入れられた者は被保険者となります
・2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
⇒ただし所定の期間を超えて雇入れられた者は被保険者となります
B事業所の所在地が一定しないものに使用される者
C季節的に雇入れられている者
⇒ただし継続して4ヶ月を超えて使用されるべき場合には初めから被保険者となります
D臨時的事業の事業所に雇入れられている者
⇒ただし継続して6ヶ月を超えて使用されるべき場合には初めから被保険者になります
E国民健康保険組合の事業所に雇入れられている者
F保険者または共済組合の承認を受けた者
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被保険者の3親等内の親族で主として被保険者の収入で生計を維持している人は、健康保険の被扶養者となることができます。(なお、平成20年4月から後期高齢者医療制度がスタートし、@日本国内に住所を有する75歳以上の者、A日本国内に住所を有する65歳以上75歳未満の者であって、一定の障害の状態にある旨の広域連合の認定を受けた者は、いずれも健康保険の被扶養者とはなりません)
生計維持の認定は、対象となる人の年収が130万円未満(60歳以上や障害者は180万円未満)で、被保険者の年収の半分以下である等、一定の要件を満たす必要があります。収入には、いわゆる給与収入だけでなく、年金や失業保険の給付も含まれます。
また、対象となる人が被保険者と別居の場合は、被保険者からの援助(仕送り等)が必要となります。
被扶養者に認定されれば、被保険者と同じように健康保険の給付を受けることができます。(一部受けられない給付もあります)
また、被扶養者がいくら増えようが、被保険者が支払う保険料が上がったりすることはありません。
厚生年金保険の被保険者(原則65歳未満)に扶養される配偶者(20歳以上60歳未満)は、国民年金の第3号被保険者となりますが、国民年金保険料を個別に負担する必要はありません。被扶養者の認定基準は、健康保険の認定基準と同様です。
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健康保険では、被保険者とその家族(被扶養者)が、業務外の事由で病気になったり、ケガをしたり、死亡したとき、または出産したときに保険給付を受けることができます。
療養の給付・家族療養費
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被保険者や被扶養者が仕事以外のことで、病気やケガをしたときに、健康保険を扱っている病院や診療所(保険医療機関といいます)に被保険者証を提出することにより、必要な医療を受けることができます。このとき、医療費の一部を自己負担しなければなりません。
[自己負担率]
3歳未満
義務教育就学前
(H.20.4〜改正) |
3歳以上70歳未満 |
70歳以上75歳未満 |
| 一定以上所得者 |
その他 |
| 2割 |
3割 |
3割 |
1割 |
【70歳以上75歳未満の方の窓口負担について】
平成20年4月から平成21年3月までの1年間窓口負担が1割に据え置かれます。
(注1)既に3割負担の方、後期高齢者医療制度の対象となる一定の障害認定を受けた方は除きます。
(注2)H19年の制度改正では、70〜74歳の方の窓口負担については、平成20年4月から2割負担に見直されることとされていたものを据え置くものです。
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療養費(被扶養者については家族療養費として支給)
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急病等でやむを得ず被保険者証を提示できないときや、健康保険を扱っていない病院や診療所で治療を受けたとき、国外で医療を受けたとき等は、療養の給付は受けられないため、医療費を一旦全額負担しておいて、後日、保険者が承認すれば自己負担相当額を除いた額が療養費として払い戻されます。
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高額療養費
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重い病気やケガで高額の医療費がかかり、1ヶ月の自己負担額が一定の金額(自己負担限度額)を超えたときは、請求により超えた分が高額療養費として払い戻されます。
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訪問看護療養費・家族訪問看護療養費
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在宅療養の難病患者等が、訪問看護ステーションの訪問看護を受けたときに、その費用が訪問看護療養費として現物給付されます。なお、療養の給付と同じ自己負担率で基本利用料を自己負担しなければなりません。
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傷病手当金
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被保険者本人が、病気やケガの療養のため仕事につけない日が4日以上続き、給料を支給されないとき、あるいは、給料を支給されていても、その支給額が少ないときは、休業4日目から最長で1年6ヶ月間、休んだ日1日につき標準報酬日額の3分の2(H19.4〜改正)相当額が傷病手当金として支給されます。
休んだ日には会社の休日(土・日・祝日等)を含みます。
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出産育児一時金・家族出産育児一時金
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被保険者や被扶養者(被扶養配偶者以外でも良い)が、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産したときは、一児ごとに35万円(H18.10〜改正)を受けることができます。
なお、出産には、妊娠4ヶ月以上の死産・流産・人工妊娠中絶も含まれます。
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出産手当金
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被保険者本人が出産のために会社を休み、給料をもらえなかった場合、出産予定日(出産が出産予定日より遅れた場合は出産日)以前42日(多胎妊娠のときは98日)から、出産の日後56日までの期間内で、仕事を休んだ日1日につき標準報酬日額の3分の2(H19.4〜改正)相当額が出産手当金として支給されます。
休んだ日には会社の休日(土・日・祝日等)を含みます。
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埋葬料(埋葬費)・家族埋葬料
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被保険者本人が亡くなったとき、埋葬を行った家族に対し、5万円(H18.10〜改正)が埋葬料として支給されます。死亡した被保険者に家族がいないときは、埋葬を行った人に埋葬料(5万円)の範囲内で、埋葬にかかった費用が埋葬費として支給されます。
また、被扶養者が亡くなったときも、5万円(H18.10〜改正)が家族埋葬料として支給されます。 |
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厚生年金では、被保険者の老齢、障害、死亡の際に年金や一時金の支給を行います。厚生年金保険は、国民年金を1階部分(基礎年金と呼びます)とする2階建て部分で運営される年金制度です。したがって、厚生年金の保険給付は通常、国民年金の給付に上乗せするかたちで支給されます。
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老齢厚生年金
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一定の被保険者期間(国民年金などの公的年金に加入していた期間の合計が、原則として25年以上)を満たしている人に、65歳から老齢厚生年金と老齢基礎年金が支給されます。
老齢厚生年金は、厚生年金保険に加入していた期間中の平均標準報酬額に比例(報酬比例と呼びます)して支給されます。
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特別支給の老齢厚生年金
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60歳から65歳になるまでの間、老齢基礎年金を受ける資格期間があって厚生年金保険の加入期間が1年以上ある人には、生年月日に応じて特別支給の老齢厚生年金が支給されます。
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障害厚生年金・障害手当金
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一定の条件を満たしている被保険者または被保険者であった人が厚生年金保険の加入期間中に初診日(初めて医者にかかった日)のある病気やケガで、1級〜3級の障害の状態になったときに、障害厚生年金が支給されます。
また、3級の障害よりやや軽い程度の障害が残ったときは、一時金として障害手当金が支給されます。
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遺族厚生年金
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厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したときや、被保険者期間中に初診日のある傷病がもとで初診日から5年以内に死亡したとき、あるいは1級・2級の障害厚生年金を受けられる人、老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たした人が死亡したときに、一定の遺族に対して遺族厚生年金が支給されます。
遺族厚生年金を受けられる遺族は、死亡した被保険者に生計を維持されていた妻(または夫)、子、父母、孫、および祖父母で、妻以外の遺族には年齢等の条件があります。
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